借り物

僕(昭和38年・1963年生まれ)が子供の頃はまだ、「もらい湯」「呼び出し電話」「カラーテレビ」といった借り物、ご近所に借りにあがっても普通という世界が在った。
その背景には、「個人の希薄さ」というヘリテージがあって、それに知恵や教養や生きる力が支えられていた。
赤の脅威(そういう風土だからこそ脅威とされた)を出し抜いて「個人」と「知識」が結びつきを強める前夜だった。